□ Michiyo
□ 30代女性
□ 延世大学
□ 正規課程 9ヶ月 (4級~6級卒業)
□ 学校や授業などについて
1 学校について
私は午前コースに参加し、月~金曜日の午前9時~午後1時まで授業を受けました。
クラスは大体どの学期も12~13名ほどが1クラスで構成されており、中国、日本を始め、アメリカ、ブラジル、トルコ、カザフスタン等、様々な国の人が通っているので英語、中国語、日本語、ロシア語等、韓国語以外の言語を耳にする機会も多かったです。
ただ中・上級のクラスになると、クラスメイトのほとんどが母国語を含め他の言語を使わないよう心掛けるようになり、韓国語を使う頻度も増えて会話力UPができたと思います。
2 授業について
授業内容は、4級は生活や文化に関する事など比較的日常でよく使う文法や単語を多く学びましたが、5級・6級になるとニュースや新聞、論文、インタビュー等で使用する表現を多く学び、4級に比べてかなり高度な内容になると思います。そのため、自身に取って必要な内容だと感じられず、5級で終了したクラスメイトもいました。
通常授業とは別に、4級は週に2回、5~6級は週に3回選択授業の時間があります。この授業ではマラギ、イルキ、作文、歴史、文学、新聞ニュース等様々な分野から選択して受講ができるので、自分の弱い面を集中して勉強できるとても良い機会だと思います。イルキ以外の授業は教科書を買わなければいけないのですが、イルキは通常のイルキの授業と同じ教科書を使用するので、教科書代を節約するためイルキを選択する人も多かったです。
5級と6級はマラギの評価として、韓国人に街頭インタビューを行いその内容を纏め発表するという課題があります。決められた主題に基づき、5級は15人以上、6級は1人にインタビューを行います。対象は韓国人であれば誰でも構わないのですが、知らない人に話しかけて尚且つ韓国語でインタビューを行うので、会話力も大事ですが勇気と積極性も身につくと思います。
4級と5級では課外授業として、博物館や故宮に行き判子づくりや韓服試着体験等、韓国文化体験をしました。6級ではこの様な授業はありませんでしたが、1泊2日で卒業旅行があります。(私は個人的な理由により参加できませんでしたが。。。)
6級は中間・期末テスト共にマラギのテストがなく、代わりに新聞発表、インタビュー発表、論文発表、座談会といった課題がマラギの評価となります。テスト前の負担が少し軽減されるのは嬉しかったですが、1学期3カ月、ほぼ休む暇なく課題に取り組まなければいけないので人それぞれ思いは違うと思います。。。
また6級は他の級と違い追試がないため、課題やテストで手を抜いてしまうと好成績が残せず留年(もしくは卒業できず終了)という結果になるので、一番気を引き締めて取り組んだ級でした。
ただ一つだけ疑問なのは、どの級よりも厳しい評価をされ、課題も多い6級こそ追試を設けるべきではないかと思いました。1級から苦労して勉強してきたにも関わらず、6級で成績が振るわず卒業できなかったため、精神的ショックを受けた人もいたので、もう少し生徒の立場に立った体制に変えても良いと思いました。
3 先生について
4級~6級まで3人の先生に教わりました。(イルキ、選択授業除く)、教わった先生は比較的教師歴が長い方が多かったですが、他の先生よりも教師歴が短いせいか、単語や文法について不明点があり質問した際、やや説明力に欠けていたと感じる先生もいました。また、生徒に積極性を求める方でしたが、その当時のクラスは積極的な生徒が少なかったため授業が止まったりということが多かったです。また他のクラスでも教師歴の浅い先生に教わった生徒から、内容を理解しづらいという話を聞いた事がありますので先生によると思います。
4 宿題やテストなどについて
4級、5級は宿題の提出は必須ではありませんでしたが先生に提出を求められ、授業の復習やスギの練習にもなるので、時間を見つけて提出していました。6級は、学期のほとんどを課題や試験に時間を費やしていたので、宿題まで手が回らず先生もその状況を理解されていたので、無理な提出はもとめられませんでした。
5 その他
延世の語学堂は、毎学期初めに先着順で延世大学の学生と言語交換ができるプログラムの申し込みがあります。私は5級の時に参加したのですが、相手は大学院生でとても忙しい方だった為、本来週1回以上活動が必要なところ、月に2、3回程度しか会うことができませんでした。それでも、お互いに表現や発音を教えてり直したりしながら会話をし、少ない機会ながらも良い経験になったと思います。
また延世は毎週水曜日の13時過ぎから無料で韓国映画の上映会があります。韓国語の字幕しか表示されないので初級レベルだと理解が難しいかもしれませんが、中級レベルになればある程度理解できると思います。上映される映画は最新映画ではないですが、自分が見逃したものを観たりできるので時間があれば観てみるのも良いかと思います。
6 韓国語の勉強について
学校の授業も大事ですが、可能であれば交流会やアルバイト、文化体験等学校以外での活動をすると効果的だと思います。
私はある韓国の銀行が主催している、日本人対象の韓国文化体験プログラムに参加しました。このプログラムは韓国人1名と日本人3~4名が1つの班となり、毎月数回、班毎で活動を行います。班毎に活動内容を自由に計画でき、活動費用は主催団体から支援されます(予算や交通手段等やや制限はありますが)。韓国人のメンバーと行動するので万一、分からないことや不自由な事があっても、彼らが援助してくれるので安心して活動できると思います。
班毎の活動以外にも韓国の一般家庭で家庭料理を教わったり、秋に開催された日韓交流祭りでは団体としてブースを出展し、日韓それぞれの伝統的な遊びを来場者に体験してもらうための活動を行いました。来場者のほとんどが韓国人なので、韓国語を使うこともあり会話の勉強になりました。またプログラム参加者全員と一泊二日で地方(全州、扶余、公州)へ行き、その土地の文化や歴史を学ぶことができました。
このプログラムへの参加は面接や書類選考がありますが、参加できればすごく有意義で貴重な体験ができると思います。
7 日韓スタディ「101匹目のさる」に参加して
スタディには学生ばかりが多く集まるのかと思っていたのですが、学生以外にも社会人の方も多く参加されていたので驚きました。また韓国人だけでなく、他の語学堂に通う方や短期で来ている方とも知り合う事が出来る良い機会だと思いました。
□ 滞在先について、また実際に生活してみての感想など
滞在先は新村のコシウォンでした。最寄り駅の新村駅まで徒歩約5分、語学堂までは徒歩約25分、延世大学正門のバス停も近いので交通の便は良い方だと思います。
ただ留学前に見学させてもらった時は昼間だったのでわからなかったのですが、繁華街の中にあるので夜になると人の声や周囲のお店の音楽などが聞こえてきて、初日の夜はうるさくて眠れなかったです。後日、他の入居者から聞いてわかったのですが、部屋の位置により音の聞こえ方も違うようで全く聞こえないという部屋もある様です。私は数日で慣れたのでその後はあまり気にならなくなりましたが、人によっては気になるので、その場合は部屋の移動の希望をすれば良いです。
部屋の広さはコシウォンに住まれた方のほとんどが思うことだと思いますが、最初はかなり狭い!と思いました。ただ、生活していくうちに何でも手の届く範囲にありその狭さが快適だと感じるようになりました。
私はなるべく自炊をしたいと思っていたので、他の入居者とキッチンの利用時間が被る事を心配しました。しかし、私の滞在したコシウォンは、4階と6階にキッチンがあったため4階以外の人は6階を利用することが多いらしく、ほぼ自由に使用することができました。調理道具や調味料もほとんど程度揃っているので、自分で準備する必要がないのは良い点だと思いました。
管理の方は韓国語のみしか通じなかったため、始めの頃は何を話すのにも緊張し、なかなか話を聞き取ることができませんでした。何度も話をするうちにいつからか自然に会話が出来る様になった時は、とても達成感を感じました。
□ aah! educationについて
初めての長期留学だったので、留学前も留学してからも丁寧にサポートいただき心強かったです。またお忙しい中、留学前にお部屋の案内をしていただいたり、仲良くしていたスタッフの方が卒業式に来ていただいたりとても嬉しかったです。コシウォンの管理の方からも私が社長の紹介で来たということで、寒い時期になると布団を無料で追加していただいたり、食べ物のおすそ分けを頂いたり大変良くしていただきました。本当にお世話になりました。
これからプライベートでも長くお付き合いできると嬉しいです^^
□ 韓国留学の動機など
留学前に日本で3年程勉強しましたが、仕事をしながら週に1回語学学校に通う程度だったので、自分の目標とするレベルへの到達が中々できずもどかしさを感じていました。そのため集中的に勉強し韓国語を習得したいと思い留学を決意しました。
韓国について色々と知るようになったのは6年ほど前で、当初は1年に2回韓国旅行したりドラマをみたりK-POPを聞いて楽しむ程度でしたが、数年後は休みのたびに旅行する様になり、多い時は年4回訪れるほど韓国にはまっていました。旅行経験が多くなり現地の生活習慣や韓国語に触れる機会も多くなった事も韓国留学をする動機の一つだと思います。
□ 留学全体への経験や体験、感想など
仕事を辞めて尚且つ30歳を過ぎてからの留学はかなり勇気の必要なことで、後悔するかもという不安もありましたが、終わってみるとやはり行って良かったです。
日本でも韓国の生活、文化、ニュースなどいくらでも学ぶことはできますが、実際に見て肌で触れるということは現地でしかできないことだと思います。
留学生活の中で自分が成長できたなと感じたことが2つあり、1つ目は休み期間中に家族が来韓した時のことです。母と叔母が遊びに来たのですが2人とも韓国語は話せず特に母は初めての来韓だったので、右も左もわからない状態でした。2人の滞在中は一緒のホテルに泊まり、通訳をしたりバスや電車の乗り方を教えたり、食べ物の説明をしたり目が回る程の忙しさでしたが、後々考えると自分は人に韓国の案内ができるくらいまでに上達したという事を実感しました。
2つ目は、5級を修了した頃には報道番組がある程度理解できるようになった事です。留学当初は、ニュースや新聞で使われる単語や表現を殆ど知らなかったので報道番組は見ませんでした。しかし授業で習った事がニュースの中で使われているのを理解できた時嬉しさを感じ、それからはすべて理解できなくても報道番組も見る様になりました。帰国後も時間がある時は韓国語のニュースを見る様にしているので、留学前とは大きく変わった点だと思います。
□ 韓国への感想
東京での暮らしが長いせいか東京に比べると韓国はなんでも“早く“という傾向にあると感じました。青信号の時間が短いので皆急いで渡ったり、電車に乗る際も、降りる人を待たずに乗ったり、列の順番を抜かしたり。。。このスタイルに慣れない人には少々暮らしにくい文化ではないかと思います。
また整備の行き届いていない歩道が多く、ゴミ箱が設置されているにも関わらず、道に落ちているゴミの量が日本に比べると断然多く、歩きにくさを感じました。
魅力的な面は交通料金の安さです。タクシーも日本の約半額で利用可能で、地下鉄もソウル市内であれば往復約500円以内で移動できるので、値段を気にせず利用できとても便利でした。またバスも本数が多く複雑といわれていますが、利用頻度を重ねれば慣れるので、目的地により近い所まで行くことができ地下鉄よりも便利で渋滞の少ない時間や時間に余裕のある時はバスの利用をお勧めしたいです。
□ 留学を考えている方へ
私のように、ある程度社会経験を積んでから留学される方は少ない方だと思いますが、もし同じような状況で迷っているならぜひ留学をお勧めします。
仕事を辞め新しいことに挑戦するにはリスクのある年齢かもしれませんが、私の場合は留学しなかったら今でも、モヤモヤしてずっと悩んでいたと思うからです。
30歳を過ぎての学生生活は20代より体力的にも厳しく思うように行かない事もありますが、強い意志を持って取り組めばやり遂げられると思います。